TOEIC英語学習ナビ [TOEIC編]

TOEIC編

Part 2 応答問題

パート2で測っている能力

パート2で測っている能力は、「簡単な問いかけを理解して応答できる力」です。

先ほどの展示会の続きを考えてみましょう。展示会に向う車内や会場で、現地の担当者が、説明してくれているシーンです。車内や会場内で目に見えるものを説明してくれるだけでなく、様々な質問をしてきます。会議ではないので、簡単な問いかけが続きます。

「飛行機は、快適でしたか?」「前回、こちらにいらしたのはいつでしたか?」「会場の準備を確認したら、支社を訪問しますか?」「夕食の希望はありますか?」「今日のホテルは、どこですか?」。あなたは、最初のうちこそ緊張していましたが、質問に答えるうちに、少しずつリラックスしてきます。

こうした場面で必要な力を試しているのが、パート2「応答問題」です。

パート2の問題形式

具体的な問題形式は、問いかけの英文(設問)を聞いて、それに対する正しい応答を3つの選択肢から選びます。設問も選択肢も、問題用紙には印刷されておらず、耳だけが頼りの問題です。このパートで測っている力は、「簡単な問いかけを理解して応答できる力」ですから、問題を解く際は、このように聞きます。

  • ①「設問」の音声を、文頭を頭に残すように聞く。
  • ②問いかけの意図を理解する。
  • ③3つの「選択肢」を聞き、応答が成立するものを選ぶ。

①の設問の音声を「文頭を頭に残すように聞く」が、一番大事なステップです。理由は、②の「問いかけの意図を理解する」ためには、まず英文の文頭をキャッチする必要があるからです。文頭の種類によって、問いかけの意図を推測できます。

  • 文頭が、疑問詞(Who, Where, What, When, Whyなど)→「情報を得る」
  • 文頭が、be動詞や助動詞(Is, Are, Do, Will, Haveなど)→「何かを確認する」
  • 文頭が、Why don’t you~? How about~?といった表現→「提案や依頼をする」
  • 文頭が、主語(I, You, He, Our bossなど)の平叙文→「コメントを求める」

もちろん、文頭が聞き取れただけでは不十分で、肝心な情報はその後にありますから、最後までしっかり聞きます。しかし、リスニング力が不十分だと、聞いているうちに、最初の音を忘れてしまいます。この音を保持できる力(retention)は、およそTOEIC 100点=1語です。つまり、900点であれば、9語まで保持できます。そして、パート2の設問(問いかけ文)も平均9語です。

リテンション力がついてくると、②の「問いかけの意図を理解する」ことが容易になるだけでなく、聞いた瞬間に意図がわからなくとも、頭の中で音声を再生して確認できるようなります。実際のコミュニケーションでは、日本語でも、同僚や上司にいきなり質問されて、何の質問かわからないときがあります。そんなときは、頭の中で質問を反復しているはずです。これは、英語でも大事な能力です。パート2でこの力を養いましょう。

対策本や対策講座では、このリテンション力の弱点を補う方法として、「文頭だけ聞いて、正解を選ぶ」といった指南を見かけます。これは、NGです。こんな手抜きの聞き方をしていたら、いつまでもリスニング力が向上しません。

リテンション力がつき、質問の意図をつかめるようになってくると、正解の選択肢(音)を聞いて、頭の中に応答の場面(絵)が浮かぶようになります。パート1で試されている力が、パート2で必要な力の土台になっているのです。

TOEIC公式ホームページで、Part 2のサンプル問題にチャレンジできます。

http://www.toeic.or.jp/toeic/about/tests/sample02.html