TOEIC英語学習ナビ [実践編]

実践編

リスニング練習(1)

ナチュラル・スピードの英語を聞く

リスニング力アップのためには、毎日、英語を聞くことが基本です。そして、聞く英語は、ナチュラル・スピードの英語です。これは、ネイティブ・スピーカーが自然に話すスピードの英語(160~180語/分)で、TOEICリスニング問題もこのスピードです。

「速い英語だと聞き取れない」という理由で、不自然にゆっくりと話された音声や、機械的に遅くした音声を聞く人がいます。しかし、遅い英語を聞いていては、いつまでたっても、リスニングできるようにはなりません。

とはいえ、リスニングが非常に苦手な人は、「VOAスペシャル・イングリッシュ」など、明瞭に読まれた英語を聞くことから始めて、ステップアップしても構いません。

ただし、聞き方を間違えないことです。間違った聞き方は、「TOEIC編」で説明のように、「聞きながら英文(文字)を思い浮かべる」ことと、「その英文を日本語に訳そうとすること」です。

ですから、英語を聞いて、英文を思い浮かべ、日本語に訳そうとしてしまう人ほど、実力より1レベル上の速い英語(ナチュラル・スピードの英語)を聞くことをおすすめします。速い英語では、訳すことが不可能だからです。

聞き取れたところから想像する

ナチュラル・スピードの英語を聞いて行うことは、「聞き取れた音をつないで、頭に絵を描く」ことです。

例えば、下記の英文を聞いて、太字になっている箇所が、耳に残った(聞き取れた)とします。

  • M: Excuse me, could you help me? I need a map of the city.
  • M: No problem, sir. Here you go.

この聞き取れた音(単語)から「男性が地図を頼み、女性が応対している」という絵(場面)を頭に描く(イメージ)するのです。これが、リスニングの基本です。もちろん、すべて聞き取れることが最終目標ですが、まずは、聞き取れたところから推測しましょう。

英語は、この推測がしやすい言語です。というのは、英語を話す際は、英文の内容を伝えるための単語(内容語)を強く読み、文を構成するために必要な単語(機能語)は強く読まないからです。

内容を伝えるための単語を強く読んでくれるのですから、ここを聞き取って、つなげていくことで、ある程度の内容が理解できるというわけです。

<一般的に強く発音される内容語>

  • 名詞、動詞、形容詞、副詞、数詞

<一般的に弱く発音される機能語(例)>

  • 冠詞  a, an, the
  • 前置詞  in, on, at
  • 人称代名詞  I, you, he, she, they
  • 不定詞  to
  • 助動詞  can, may, will, should
  • 接続詞  and, but, or, so, that, if
  • 関係詞  that, who, which

<状況によって強く発音される機能語(例)>

  • 指示代名詞  this, that, these, those
  • 短縮形の助動詞 don’t, doesn’t, isn’t