TOEIC英語学習ナビ [入門編]

入門編

学習戦略を新たにする

トレーニングで4技能を伸ばす

前述の通り、長期記憶を作るには、受信行為(聞く・読む)に、発信行為(話す・書く)を加えて、4技能を使う反復練習が効果的です。

これは、記憶に良いだけでなく、英語を使えるようになるために不可欠です。「聞く・読む」だけを学習しても、「話せる・書ける」ようにはなりません。将来的にビジネスでも使える英語力が欲しいなら、リスニング・リーディング問題のTOEICを受験するのであっても、4技能を使って学習すべきです。

「2技能でも大変なのに、4技能の学習などできない」という人もいるかもしれません。でも、4技能を別々に学習する必要はないのです。TOEICを開発したETSの調査でも明らかなように、4技能には関連性があります。ですから、4技能をまとめてトレーニングできます。

具体的なトレーニング方法は、「実践編」で紹介しますので、ここでは概略だけを説明します。

「聞く」力をつける一番の方法は、聞こえなかった英文を、文字を見ながら、意味(単語・文法)を確認した後で、聞こえたとおりに、「話す」こと(音読)です。

音読は、話す相手がいる「会話」ではありませんが、音読するなかで覚えた表現(コロケーション)は、実際の会話で使えますから、「話す」力がつきます。この表現は、ある程度「書ける」ようにもなり、TOEICの単語・文法問題(パート5・6)でも、考えずに解ける問題が増えます。

さらに、音読する際に、意味のかたまり(チャンク)を意識すると、英文を黙読しても(音読しなくとも)、訳さずに、チャンク単位で意味が取れるようになり、「読む」力がつきます。

もともと人間が使う言葉ですから、4技能は関連していてあたり前です。ですから、一緒に身につけられるのです。

学習戦略を新たにする

4技能をまとめてトレーニングする学習法に対比するのは、「単語を暗記し、文法を勉強して、練習問題を解く」学習法です。この方法では、ナチュラル・スピードで、「聞く・読む」練習が決定的に不足しますから、TOEICには向きません。また、こうした学習方法がつまらなくて、英語が苦手になったという方も少なくないはずです。

それでも、この方法が得意で、TOEICで高得点を取る人がいるのも事実です。しかし、「高得点を取っても、話せない・書けない」ので、そこから「話す・書く練習をする」ことが必要になります。

結局のところ、ビジネスで英語を使いたいなら、4技能を一緒に身につける方が早いのです。また、学習法が日本語を覚えた方法と同じなので、「学生時代のような勉強はとてもできない」という方でも、簡単に実践できます。

新しい能力を手に入れようと思ったら、学習戦略を新たにすることが必要です。