TOEIC英語学習ナビ [入門編]

入門編

TOEICとビジネス英語

ビジネス英語は幅広い

仕事で必要になる英語(=ビジネス英語)と言うと、ビジネス英語のテキストやレッスンで、「ミーティングに便利な定型表現を覚える」といったことをイメージするかもしれません。確かに、覚えておくと便利な表現はありますが、これを覚えたからといって、ビジネス英語が完璧というわけにはいきません。

例えば、海外出張するとなれば、ミーティングやEメールはもちろん、ホテルを利用したり、食事をしたり、オフィスで外国人スタッフと会話する際にも英語が必要です。こちらから話しかけるための定型表現を覚えたとしても、相手から想定通りの回答がくるとは限りませんし、雑談ともなれば、何の話になるかわかりません。

これは、訪日観光客に対応する「おもてなし英語」でも同様です。定型表現で、話しかけ、応答することができても、それ以上の会話はできません。

幅広い意味でのビジネス英語に強くなるには、ビジネス場面だけでなく、海外に滞在すれば遭遇する英語全般(様々な生活場面の英語)を学ぶ必要があります。これは、まさにTOEICの英語(出題範囲)です。ですから、TOEICを英語力の「モノサシ」にして、学習していけば、ビジネス英語も身につきます。

「会話とTOEICは別もの」「話せるようになることが目的なので、TOEICは関係ない」という声を聞くことがあります。確かに、TOEICは、リスニング・リーディング問題のテストで、スピーキング力を直接的には測定していません。

しかし、会話は、「相手の話を聞く+自分が話す」ですから、リスニング力も必要です。「英文資料を配布してのミーティング」もありますから、リーディング力も必要です。スピーキング・ライティング力と、リスニング・リーディング力は、車の両輪のようなものです。円滑なコミュニケーションには、両方を伸ばしていくことが必要です。

まずはTOEICから

TOEICは、「スピーキング・ライティング力を直接測定していない」と述べました。一方で、TOEICは、「リスニング・リーディング問題で、スピーキング・ライティング力を含めた能力を測定できるテスト」として誕生しました。

これは、TOEICを開発したアメリカのETSが4技能の関連性を調査したところ、リスニングとスピーキング、リーディングとライティングに高い相関性(相関係数0.83)が認められたことに基づいています。

つまり、TOEICは、リスニング・リーディング問題のテストですが、リスニングスコアからスピーキング能力を、リーディングスコアからライティング能力を、ある推測可能ということです。

とは言っても、リスニング・リーディングだけを学習したら、自動的にスピーキング・ライティング能力が向上するという意味ではありません。ETSの調査は、英語力を測定したら、対象者の4技能に相関があったことを示しているだけで、TOEIC対策や、リスニング・リーディング問題を解くだけの学習で、話せる・書けるようにはなるわけではありません。

TOEICスコア偏重の学習をする人が増えた結果、「スコアが高くても、話す・書くに自信のない人」が増えました。これでは、企業がTOEICを導入している意味がありません。こうした背景もあり、スピーキング・ライティング力を直接測定する、TOEIC スピーキング・ライティングテスト(TOEIC SWテスト)が、2006年度にスタートし、企業での導入が進んでいます。

TOEIC SWテストの受験は、TOEIC 600点以上になってからがおすすめです。それまでは、4技能を伸ばす学習を行っていれば、TOEICだけの受験でも問題ありません。学習方法が正しければ、ETSの調査結果が示す通り、リスニング・リーディングのスコアには、スピーキング・ライティングの能力も反映されています。

 

下記は、TOEICスコアを持っている人が、TOEIC SWテストを受験する際の目標スコア(4技能のバランスが取れている状況)の目安です。

<TOEICとTOEIC SWスコアの目標>

  • TOEIC 950点 Speaking 170点/Writing170点
  • TOEIC 860点 Speaking 150点/Writing160点
  • TOEIC 730点 Speaking 130点/Writing140点
  • TOEIC 600点 Speaking 110点/Writing120点

TOEIC SWテストの内容は、TOEIC公式ホームページで確認できます。

http://www.toeic.or.jp/sw/about.html