TOEIC英語学習ナビ [入門編]

入門編

TOEICスコアアップのために

必要以上の対策は不要

世の中には、TOEIC対策本や対策講座があふれています。こうした本や講座が指南するのは、①問題形式に慣れる、②解法テクニック、③出題予想の3つです。

このうち、①の「問題形式に慣れる」は、本番のTOEICを受験する前に、練習問題を解くことを言います。問題形式に慣れていないと実力より低いスコアが出ますから、初めてTOEIC受験をする人、前回受験から半年以上たっている人には、必須です。

ただし、対策本や対策講座に頼らなくとも、オフィシャルの問題集「TOEIC公式問題集」(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会発行)をご自身で解くだけでも十分です。これは、スコアアップの対策ではなく、スコアダウンしないための準備(実力通りのスコアを出すウォーミングアップ)です。

問題形式に慣れていないと、どれ位スコアが低く出るのでしょうか? TOEICには、誰でも受験できる「公開テスト」と、企業や学校単位で実施される「IPテスト」があり、前者の平均点が580点前後、後者が460点前後です。IPテストの平均点が低い(▲120点)のは、強制的に受験させられる割合が高いからです。

例えば、会社の新人研修などでIPテストが行われ、テストについて予備知識がなく、事前準備なしに2時間・200問のテストを受験したら、最後まで集中力を保って、実力発揮できる人はあまり多くないはずです。こうしたみなさんは、実力より低いスコアが出ています。

問題に不慣れで、実力以下のスコアとなった人が、対策本や対策講座で、問題形式に慣れると、100点位は簡単に上がります。もちろん、②や③の対策が有効だったのではなく、問題形式に慣れること(テスト準備)が有効だっただけです。ここで、対策が有効だったと勘違いすると、それ以降も対策を続けますが、実力は伸びないので、その後はほとんど伸びません。

実力を上げることに注力する

③の「出題予想」を、出題範囲が決まっていないTOEICで行うことは不可能です。著者・講師の受験経験やTOEIC公式問題集に基づいて、「こういった単語や表現、文法が使われることが多い」と説明している程度です。「TOEIC公式問題集」を解いて得られる以上の情報はありませんし、対策講座の多くはTOEIC公式問題集を教材にしています。

問題は、②の「解法テクニック」です。これに手を出すと、英語力の伸びにブレーキがかかります。詳しくは、「TOEIC編」で詳しく説明していますが、実力の足りない部分を、解き方のテクニックで補おうとすれば、「本来の聞き方・読み方でない」方法になります。

解法テクニックを身につけるために、学習時間を費やしても、本来の方法ではないのですから、実力はつきません。同じ時間を使うのであれば、実力を上げることに注力した方が、確実にスコアアップしますし、実際に英語が使えるようになります。

TOEIC公式問題集

http://square.toeic.or.jp/kyouzai/store/pr/08/index.html