英語を「学ぶ」から、 英語でも「学ぶ」への発想転換 | 英語&スキルトレーニング BizCom

英語を「学ぶ」から、 英語でも「学ぶ」への発想転換

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みなさんこんにちは。鹿野晴夫です。

リスニングやリーディングの理解度を大きく左右する要素に、Background knowledge「背景知識」があります。

例えば、初めての英語を聞く際は、以下のどちらが易しいでしょう?

・日本語で知っていることを英語で聞く
・日本語でも知らないことを英語で聞く

日本語で知っていることは、英語でもテーマや内容を想像しやすく、知らない語彙があっても理解しやすいはずです。

一方、日本語で知らないことは、英語ではテーマや内容を想像しにくく、まして知らない語彙があると、まったく理解できないはずです。これは、英語レベルが高くても、同様です。通訳の方のレベルでも、通訳をする前に資料を送ってもらい、内容に関する知識と専門用語を習得されるそうです。

もちろん、TOEICの英文は、Daily & Business「日常とビジネス」で使われる英文で、特別な背景知識が必要となる問題は出題されません。とはいえ、ある程度の背景知識があった方が楽です。

例えば、会話問題で、「こちらで就職したいと考えていますが、インターンシップに参加した方が有利ですか?」といった文が流れたとします。「インターンシップに参加した学生を採用する企業がある」という背景知識が無いと解けない問題は出題されませんが、こうした背景知識があれば、話し手を容易に推測でき、楽に理解できます。


背景知識を増やして英語力を同時に伸ばす

では、背景知識はどうやって増やしたらいいのでしょう?

その方法は、英語を聞きっぱなし、読みっぱなしにしないことです。時間の無い方は、1日1つの英文でも構いませんから、聞いたり、読んだりした英文の日本語訳を確認すること。

そして、日本語訳の中に知らない知識や理解があいまいな語句があったら、ネットや辞書などで確認し、日本語で背景知識を増やすことです。さらに、中・上級者の方は、習得した知識や語句を英語で説明してみましょう。

先日、東京センターのレッスンで扱ったUsing Math in the Business World「ビジネスの世界で数学を使う」という英文を使って、具体的方法を説明します。

<英文>
Computers can now buy and sell stocks or understand consumers to target ads at them on the internet.
To do this, algorithms are used.

<訳>
コンピューターで、株を売買したり、消費者を理解して、ネット上で広告の的を絞ることができる。
そのために、アルゴリズムが利用される。

日本語訳を読むと分る通り、ポイントは、「アルゴリズム」と聞いて、それが何か知っているか、知らないかです。知っている人には、簡単な英文で、知らない人には、ピンとこない英文です。そこで、「アルゴリズム」を知らない方は、ネットで検索などして、「コンピュータで計算を行うときの計算方法」といった知識を得るわけです。

さらに、中・上級者の方は、これを英語で説明して(話して)みます。難しく感じたら、英英辞書でalgorithmを引いてみましょう。a set of rules to be followed in calculations by a computerといった説明が載っているはずです。これで、日本語でも、英語でも背景知識を増やすことができ、同時に発信力を伸ばすこともできます。

単に「英語」を学ぶという発想から、英語で様々なことを「学ぶ」へ、学習の目的を方向転換することが大事です。ぜひ、お試しください!

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