
前回の特別講義でも述べた通り、文法の理屈を確認したら、音読で、文法の「リズム」を練習することが大事です。
一方で、文法力同様に、音読で、「語彙力が身につきますか?」という質問をいただくことがあります。もちろん、音読で語彙力も身につきます。というよりも、音読をしないと語彙力の一番のポイントである「音(リズム)」が身に付きません。
■単語の「音」は、声に出さないと身につかない。
単語の「文字」「意味(訳)」は暗記することができますが、「音」は、暗記できるでしょうか?例えば、resumeであれば、意味は、「履歴書」と説明できます。このように説明できるものは、暗記(意味記憶)できます。
しかし、resumeの音を説明するのは難しく、誰かに伝えるのであれば、見本を見せる(発音する)はずです。そして、その音を覚えるには、 音を聞いた後で、音が再現できるようになるまで声に出すことが必要です。こうした、体で覚える記憶を「手続き記憶」と言います。
■「音」「文字」「イメージ」を音読で結びつける。
リーディングの際は、文字(resume)と、意味(履歴書)が結びついていれば理解することが可能です。
しかし、リスニングでは、英語の音を聞きながら、日本語(履歴書)を考える時間的な余裕がありません。ですから、日本語ではなく、履歴書のイメージと、音(レジメイ)が結びついている必要があります。
ちなみに、resumeには、「再開する」の意味もありこの際は、「リジューム」と発音します。「履歴書」のイメージは、比較的容易かもしれまんが「再開する」のイメージは、容易ではないはずです。
ですから、単語のみではなく、We resumed the meeting.「我々は会議を再開した」などイメージしやすい文で学習することです。会議の再開をイメージして、We resumed the meeting.を音読することで、「音」「文字」「イメージ」が結びつき、聞き・読み・話すができる語彙になります。
音読の際は、日本語訳で意味を確認し、CDなどで音を確認した後、音(リズム)を再現するように音読します。リズムに慣れてきたら、状況や場面をイメージし自分が話しているつもりで音読してください。
単語は、「リズム」から入り「イメージ」で仕上げるのがポイントです。ぜひ、お試しください!