音読などのトレーニングで、「文法力が身につきますか?」という質問をいただくことがあります。
もちろん、音読で文法力が身につきます。というのも、文法とは単語の並べ方(語順)のルールだからです。
たとえば、Thank you.と言う場合、「センキュウ」というリズム(音)が身についていれば、正しい語順で話すことができます。Thank が他動詞。その目的語がyouと説明できなくても問題ありません。正しいリズム(正しい区切りと音)で音読すると、文法力がつくのです。
しかし、音読を始めても、TOEIC L&R のPart 5を解くと文法力の不足を感じる人もいるはずです。これは、上級者になるまである程度、仕方のないことです。母国語であれば、文法のことを気にせずに、リズムだけで言葉を操れるように、英語のリズムが身につくにつれPart 5もスラスラ解けるようになります。
■上達のスピードを上げるには、リズムの不足をリクツで補う。
しかし、「リズムだけでは不安」「早く上達したい」という人も少なくないはずです。
そこで大事になるのが、文法の「リクツ」です。とはいえ、分厚い文法書を1ページから順に学習していくのは大変ですし、リクツだけの学習では、リクツを考えないと英語が使えなくなってしまいます。
おすすめは、音読の前に、文法のリクツを確認すること。英文を音読する前に、日本語訳を確認し、「なぜこういう意味になるのか」疑問を感じた部分では文法の解説にも目を通すのです。
ここでのポイントは、解説は理解する程度にとどめて音読の時間を十分に取ることです。覚えるのは、文法のリクツではなく、文法のリズムであることを見失わないようにすることが大事です。
■全体像が気になったら、薄い文法書を通読する。
文法の解説を読んでみたが、「文法用語の意味が分らない」「忘れている文法項目が多い」という人もいるかもしれません。
しかし、TOEICに出る文法も、中学文法が基本です。Part5が難しく感じるのは、文法の難易度ではなく、語彙の難易度と文の長さが理由です。それでも、文法の解説の中に少しでも知らないことがあると、文法全体が不安になってしまうものです。
そんなときには、高校入試用に中学文法の要点をまとめた薄い参考書(100ページ前後で700円位)を通読してみてください。文法の全体像や基本がわかります。
文法のリクツの基本を押さえてしまえば、文法のリズムを安心して練習できるようになりますよ。ぜひ、お試しください!